Original

【侍イングリッシュ】おしゃべり - Talk

 1960年代のアメリカの大ヒット曲「サウンド・オブ・サイレンス」(The Sound of Silence)をご記憶でしょうか。その歌詞は、talkとspeakが登場します。


 人々が何かを語り合ってはいる(talk)けれど、真意を語る(speak)ことはしてないといったニュアンスが感じられます。


 これと韻を踏んでいるのが、続くhearとlistenです。相手の真実の声を聴こう(listen)とはせずただ聞き流している(hear)というのです。


 talkは、意味のない無駄口といった文脈でよく使われます。私の書棚では"TALK LESS, SAY MORE"(私訳:おしゃべりは減らして意味の含有量を増やせ)という本がにらみを利かせています。


 有言実行はWalk the talk口先だけなのがTalk the talk。むちゃなことや普通でない行為をするとすぐtalk of the town(町中の噂)になってしまいますから要注意です。


 ビジネスの世界でも、talkが良くないニュアンスで使われることがあります。ミャンマーなどの新興国へ打って出るのはいいけれど、駐在事務所を作って様子見ばかりの企業はNATO(=No Action Talk Only)と揶揄(やゆ)されます。


 異文化の交錯する世の中でこそ、言葉の数よりメッセージ性が大切です。これからの英会話はただtalkingするのではなく、人の心を打つspeakingでありたいものです。

河谷隆司

河谷隆司

異文化マネジメントコンサルタント アジア(インド・中国含む)、欧米、日本でマネジメントやリーダーシップ等の調査研究と研修を多国籍の受講者に対して行う。著書に『アジア発・異文化マネジメントガイド』『英語の話せるボスになる』他多数。